2018.08.20 11:54松村久さんを悼む 明治の終わりから昭和初期にかけ、維新史に関する出版ラッシュが起こった。ようやく懐古趣味から解放された頃で、百年後のいまなお研究に不可欠とされる、優れた内容の名著が多い。 ところが、出版から数十年も経つと、ふたつの大きな問題が生じた。ひとつは紙や装丁の著しい劣化。もうひとつは現存...
2018.08.02 11:06高杉晋作と土佐浪士(1) 高杉晋作は扇面への揮毫を好んだようで、私が確認している現存例だけでも十点を数える(『高杉晋作史料・二』『久坂玄瑞史料』に写真版掲載)。うち四点は、ここ二十年ほどの間に市場に出て来たもので、このままでは流出すると思い、個人で入手しておいた。そのひとつに、次のような二篇の五絶...